経常赤字の国内総生産(GDP)に対する比率は6.46%となり、前年から0.1%幅悪化した。赤字額のGDP比も5年続けての悪化だ。
米国の赤字膨張は、経済の「身の丈」を超えた消費ぶりを反映。中国や日本の経常黒字とともに、世界経済の不均衡ぶりを示す。
米景気は、住宅や自動車業界の不振などで来年にかけて伸び悩む可能性があるが、経常赤字が大きく抑制される見込みは薄く、不均衡拡大によるドル安などが懸念される。過剰消費を抑える手段には増税や利上げ、ドル安があるが、政治情勢を考えると、黒字国に対する制裁などを求める議会の動きが強まりそうだ。
通関ベースの対日、対中の貿易赤字はともに過去最大で、それぞれ7.2%増の884億ドル、15.4%増の2325億ドル。一方、利子や配当金など投資収益を反映する所得収支は72億ドルの赤字に転落。対外債務増による利払い負担などを背景に「60年以降では初の赤字」という。資本収支は、対米投資(資本流入)と対外投資(流出)の差額が8.4%減の7191億ドル。外国人投資家らの資金によって、経常赤字の多くが穴埋めされている。