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2007年03月13日(火) 00時00分

毎日新聞記者を諭旨解雇…糸川議員取材録音“流出”ZAKZAK

 毎日新聞東京本社社会部記者が糸川正晃衆院議員への取材を録音したICレコーダーを取材協力者の男性に渡した問題で、毎日新聞社は12日、「記者倫理に著しく反する」として同日付で記者(41)=東京本社代表室付=を諭旨解雇したと発表した。

 また監督責任で、東京本社の伊藤芳明編集局長と当時社会部長だった河野俊史編集局次長を役職停止1カ月、斉藤善也社会部長を役職停止15日の懲戒処分とし、当時、編集局長だった観堂義憲東京本社代表の役員報酬30%を、朝比奈豊主筆・編集担当の同20%をそれぞれ1カ月間返上させる。13日付朝刊で検証記事を掲載する。

 毎日新聞は「記者として守るべき一線を越えた許されない行為で、読者の信頼を損ない申し訳ない」とコメント。記者は「反省している」と話しているという。

 東京・南青山の土地取引をめぐる国会質問に絡み、糸川議員が福井市内で昨年3月に脅迫を受けた事件で、記者が糸川議員に単独取材。同年5月初め、長年の知人である取材協力者に頼まれ、レコーダーを渡し、その内容がインターネットのブログ(日記風サイト)に掲載された。

 毎日新聞は取材協力者の詳細を明らかにしていないが、記者は渡した動機について「長年親交があり、信頼していた相手だった。取材の手詰まり感もあり、もっと情報を得て大きな記事を書きたいと思った」と話しているという。

 また、レコーダー提供に伴う金銭の授受はなかったといい、記者が取材協力者にレコーダーの返還を再三求めていたことなどを考慮、毎日新聞は懲戒解雇に次いで重い諭旨解雇にした。

ZAKZAK 2007/03/13

http://www.zakzak.co.jp/top/2007_03/t2007031316.html