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2007年03月13日(火) 19時41分

旧日本軍毒ガス遺棄訴訟、二審も中国人被害者の請求棄却朝日新聞

 旧日本軍が日中戦争の終了間際に地中に隠した毒ガスや砲弾で被害を受けたとして、中国人5人が日本政府に計8000万円の賠償を求めた訴訟の控訴審判決が13日、東京高裁であった。大喜多啓光裁判長は、毒ガス兵器の遺棄を違法と認めたが、被害の回避は結果的に困難だったとして、請求を棄却した一審・東京地裁判決を支持し、原告側の控訴を棄却した。弁護団は上告する方針。

 毒ガス兵器遺棄について、国は一審で認否を明らかにせず、二審では他国の兵器だった可能性もあるなどと争ったが、退けられた。

 判決は、人の生活圏内に放置された毒ガスの危険性は切迫している▽旧日本軍関係者からの聞き取りなどで危険は予見できた——と認定。ただ、遺棄場所などを特定できず、主権の及ばない中国での被害回避は困難だったと判断し、国の賠償責任は認めなかった。

http://www.asahi.com/national/update/0313/TKY200703130281.html