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2007年03月13日(火) 00時22分

「栄養費」で西武が報告、コミッショナーは再調査要求読売新聞

 西武が選手獲得に絡み、「栄養費」名目で2人のアマチュア選手に計約1300万円を供与した問題で、西武の太田秀和球団社長は12日、根来泰周(ねごろ・やすちか)コミッショナー代行と小池唯夫パ・リーグ会長にそれぞれ調査報告書を提出し、陳謝した。

 これに対して根来代行は、〈1〉2選手を選び出し、金銭を供与した経緯〈2〉金銭をどういう名目で会計処理したか——の2点について、西武側に再調査を求めた。

 西武では第三者による調査委員会を設置し、再調査を行うが、根来代行はこの報告を待って「厳正に対処したい」とした。

 違反が確定した場合の処分について、根来代行は「制裁金を取るだけではこういう事案を根絶するのは難しい。痛みをどういう風に考えていくか」として、ドラフト1巡目の指名権はく奪など、ドラフトでのペナルティーを示唆した。根来代行は「あしき慣習を払拭(ふっしょく)していく時代。この機会に多少の犠牲を払ってもウミを出し切った方がいい」と語った。

 こうした事態を受け、日本プロ野球組織は13日、ドラフト制度について協議する12球団代表者会議を急きょ開催する。その後、労組・日本プロ野球選手会との事務折衝に臨む。

 一方、後藤高志・西武ホールディングス社長は11日、今回の問題による球団保有への影響について「ない」と否定、「ファンの信頼を裏切り、野球関係者に迷惑をかけ、申し訳ない。球団改革をし、信頼を早く取り戻したい」と語った。

 また、球団は事実を公表した9日から、スカウトを自宅待機とし、活動を一切、自粛させていることを明らかにした。自粛中の鈴木葉留彦スカウト部長は「本当に2人に迷惑をかけて申し訳ない」としたうえで、「スカウト陣はみんな自信を持ってやってきたが、そういう事実が出たことには、申し訳ないと思っている」と語った。調査報告書作成に当たっては聴取に応じるとし、スカウト活動の自粛については「今、そういう活動をしても意味がない。反省することが大事だと思う」と語った。

http://www.yomiuri.co.jp/sports/npb/news/20070312i212.htm