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2007年03月13日(火) 15時46分

日興株上場維持、対処自ら判断を──大証社長「典型的な粉飾とは違う」(3月13日)日経新聞

日興コーディアルグループ株の上場維持について記者会見する大証の米田社長(12日、大阪市中央区)  大阪証券取引所は12日、日興コーディアルグループ株の上場を維持すると発表した。同日、大阪市内で記者会見した米田道生社長は「組織的な不正と判断する材料はない」などと上場維持の理由を語った。1問1答は以下の通り。

 ——上場維持を決めた理由は。
 「虚偽記載は絶対にあってはならないが、一方で上場廃止は投資家に大きな負担を強いる。有価証券報告書の訂正額は必ずしも小さくないが、赤字を黒字に見せかけるなど典型的な粉飾とは違う。総合的に調査した結果、上場廃止基準には該当しないと判断した」

 ——どのような手続きで決めたのか。
 「当該部署で入念に検討し、その結果を上場検討委員会と自主規制委員会で議論してもらい、最終的には取締役にも報告した。両委員会での議論は8日までに終えた」

 ——東京証券取引所が仮に上場廃止にした場合はどうしたか。
 「我々は独自に判断したのであって、東証と別の判断をした可能性もあった。上場維持という判断は9日にすでに決めていたが、混乱を起こすことを避けるために東証の決定を待った」

 ——証券会社としてのペナルティーは。
 「指導する立場なのに不正が起きたことは非常に重大なことで、けしからんと思っている。良識ある会社なら引受業務を自粛するなどの措置をとるのではないか。いちいち言わなくても、自分たちで判断すべきだ」

 ——上場維持で上場企業の規律が緩み、長期的には投資家保護に反する結果を招く可能性はないのか。
 「現時点で上場廃止はしないが、市場の信頼につながっていくように今後もきちっとやっていかなければならない。例えは良くないかもしれないが、不良を学校から追い出すだけが学校の信頼を回復することじゃない。不良を学校の中に置いて正していく方法もある」



http://www.nikkei.co.jp/kansai/news/38862.html