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2007年03月13日(火) 00時00分

知事「再議要求せぬ」朝日新聞

 県議会が知事提出議案を修正・否決した問題で、小寺弘之知事は12日の記者会見で、「県民生活を優先し、再議を要求しない」と発表した。ただし太田市の「ぐんま国際アカデミー」(GKA)への私学助成金の増額修正については当面執行しない方針で、自民党は反発を強めている。

 「再議によって起きる混乱や停滞を考えた」。小寺知事は、再議を求めない理由をこう説明した。9日の議会閉会後は、再議に前向きな意向をにじませていたが、再議になれば臨時議会が終わるまで新年度の事業に向けた準備を進められなくなることを、重視したという。再議をしても議会の結論が覆る見込みが薄いことも、影響した。

 知事原案が議会で修正・否決されたもののうち、GKAをのぞいては議会の意向を受け入れる格好となった。副知事2人制と県立学校などの授業料の値上げは見送り、特別養護老人ホーム増床の補助金の繰り越しについては、補正予算で対応する。授業料値上げによる歳入額は約4500万円を見込み教職員の人件費にあてるはずだったが、補正予算で予算の節約分などをあてる予定だ。

 議会に対して小寺知事は、「あら探しのようなことばかりで、チェック機能というより政争の具にしている」とし、「私はそれを超越して県民生活に支障のない県政を運営する方がいいと思い、実をとった」とした。

 一方、自民党の金子泰造幹事長は「GKAの増額修正を執行しないのなら、議会はあってもなくても同じということか」と憤慨。議会は民意を代弁したとして、「自分が予算の執行権を握っていると声高に言っている」と知事の姿勢を批判した。清水聖義太田市長は「議決が気にくわないから執行しないというのはおかしい。県議会の存在意義、議会制民主主義をどう考えているのか」と話した。

 ある県議は「県民の審判は知事選で下る。県議選があるので、再議があれば困るのが率直のところ」と漏らした。

http://mytown.asahi.com/gunma/news.php?k_id=10000000703130003