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2007年03月13日(火) 00時00分

今里筋線はや漏水 全駅の71カ所朝日新聞

 昨年12月24日に開業した大阪市営地下鉄今里筋線(東淀川区—東成区、12・1キロ)の全11駅、計71カ所で水漏れが発生していることが12日、分かった。市交通局によると運行に支障はないが、発生個所が多すぎて、約20カ所は処置が追いつかない状態という。既設路線を避けて深い土中を掘り進めた結果、地下水圧が高くなっているのが原因とされ、同局の担当者は「水漏れを止めるすべが見つからない」と頭を悩ませている。

 同局によると、水漏れは1月上旬から各駅の構内で目立ち始めた。確認された71カ所は、駅の壁と天井のすき間などから水がしみ出たり、したたり落ちたりしている。

 水漏れ自体を止めるのは技術的に難しく、約50カ所については漏れた水を処理する措置を済ませた。大半は、漏れ出た水を受けて排水ポンプへ誘導する樋(とい)を設けて対応している。

 最も水漏れがひどい関目成育駅(城東区)では、1月中旬に改札口近くの天井で水漏れが見つかった。応急措置として、天井から落ちる水をバケツで受けている。

 工事の契約上、開業から1年間は施工業者が対応するが、2年目以降は市の負担で対応しなければならない。市営地下鉄では、05年度の水漏れは既設の7路線とニュートラムで計396カ所、同年度の補修費は約4150万円に上った。総工費2718億円をかけた今里筋線の1日の利用客数は1月の調査で、約3万7千人。需要予測の3分の1以下にとどまっており、補修費の増加が経営の重荷となりそうだ。

http://mytown.asahi.com/osaka/news.php?k_id=28000000703130002