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2007年03月13日(火) 00時00分

廃止の方針決める朝日新聞

∞県の中央地域リゾート構想/「県民の志向が変化」∞

 県は、レジャー施設などの建設を助成する総合保養地域整備法(リゾート法)に基づく「島根中央地域リゾート構想」を廃止することを決めた。構想は91年に立てられ、ゴルフ場やスキー場などの建設を助成したが、バブル経済が崩壊し、00年以降、新たな施設の整備はない。県は「リゾートや観光に関する県民の志向が変化したため」と理由を説明している。(直井政夫)

 リゾート法は87年に施行され、余暇活動にかかわるレジャー施設を建設する民間業者らを対象に、税制上の優遇措置を取ることを定めた。県のリゾート構想では、浜田、大田、江津など県中央部の3市4町の約17万ヘクタールを対象地域とし、113施設の整備を目指すとした。

 このうち、完成もしくは完成間近なのは、自治体が建設した野外活動支援施設「三瓶自然館」(大田市)、多目的音楽施設「かわもと音戯館」(川本町)のほか、ゴルフ場「浜田ゴルフリンクス」(浜田市)、スキー場「旭テングストンスキー場」(同)など36施設で、達成率は32%。完成施設での利用者数は140万人(05年)、雇用者数は692人(06年)だった。一方、乗馬場、温泉保養施設、ホテル、観光農園など77施設がつくられなかった。

 全国では、リゾート法に基づき42のリゾート構想が立てられた。国は04年に「実現性がない場合は構想を廃止する」と打ち出し、これまでに愛媛、高知、岩手、埼玉の4県が廃止している。県も来年度中をめどに廃止する方向で、国と協議に入る。県地域振興室の担当者は「バブル経済後、ゴルフ場などの大規模施設の建設は国民の志向から外れている。県民の保養、観光の柱は、自分で体験するグリーンツーリズムなどに変わっているのではないか」と話している。

http://mytown.asahi.com/shimane/news.php?k_id=33000000703130001