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2007年03月13日(火) 00時00分

猟銃立てこもり事件で負傷の巡査部長感謝状朝日新聞

  昨年11月7日、猟銃を持った男(59)が元妻を連れて城南町の民家に立てこもり、警察官ら6人が重軽傷を負った殺人未遂事件で、県議会は12日、地域の安全確保や事件の早期解決に貢献したとして、両足を負傷した宇城署地域課の巡査部長近藤弥亜さん(44)に感謝状を贈った。近藤さんは現在、職場復帰のためリハビリを続けている。

  近藤さんは昨年12月、今回の事件で県警で初めて警察庁長官功労賞も受けた。宇城署ではパトカーで巡回し、いち早く現場に到着して確認、報告することが任務。事件当日は一報を聞き、防弾チョッキを着て現場へ急行した。男が猟銃の使用許可を持っていることは分かったが、具体的な情報は何もなかったという。

  現場に着くと突然、銃声が鳴り響いた。民家の裏手に回ると、元妻に猟銃を向ける男の姿が2階の窓越しに見えた。

  「とにかく女性の救出を考えた」と言う。男の目を自分に向けさせるため、「殺人未遂と銃刀法違反の現行犯だ」と叫んだ。再び銃声が鳴り、激痛と熱が両足を襲った。100個もの散弾が当たり、倒れたところを同僚に助けられた。

  「あー、やられた」。意識がもうろうとし、妻や息子3人の顔が脳裏に浮かんだが、「このままでは死ねない」と自分に言い聞かせた。

  男はその日、近藤さんら6人に重軽傷を負わせて殺人未遂容疑で現行犯逮捕された。「死者がなく、早く逮捕できたことは幸い」と振り返る。

  事件後は入院生活が続いている。足に20発の弾が残っており、今後も手術が控えるが、「早く現場に戻りたい」とリハビリに精を出している。

http://mytown.asahi.com/kumamoto/news.php?k_id=44000000703130003