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2007年03月13日(火) 03時01分

リハビリ日数制限、心筋梗塞・肺気腫など除外へ 厚労省朝日新聞

 脳卒中や事故後のリハビリテーションの医療保険適用が原則180日までに制限され、必要なリハビリを受けられない患者が出ている問題で、厚生労働省は12日、心筋梗塞(こうそく)や狭心症、肺気腫など、日数制限の上限に達した後もリハビリを続けられる病気の範囲を広げて制度を見直すと共に、財政面でのバランスをとるため、リハビリの診療報酬を一部引き下げる方針を固めた。14日の中央社会保険医療協議会(中医協)に提案し、4月からの実施を目指す。

 リハビリの日数制限は、脳卒中などが発症した直後の急性期や回復期に集中的なリハビリができるようにする一方、効果が見込めないまま続けられるリハビリを抑制するため、昨年4月の診療報酬改定で導入された。医療リハビリの終了後は、介護保険のリハビリに移行するはずだった。

 しかし、12日の中医協に報告された実態調査では、一部の疾患で1割以上の患者が「改善の見込みがある」と診断されたのにリハビリを打ち切られるなど、制度の不備が明らかになった。

 これを受けて厚労省は(1)急性冠症候群(心筋梗塞など)、慢性閉塞性肺疾患(肺気腫など)を新たに日数制限の対象から外す(2)日数制限の対象となる病気でも、改善の見込みがあって医師が特に必要と認めた場合は医療リハビリが継続できる(3)介護保険の対象とならない40歳未満の患者や、介護保険で適当な受け皿が見つからない人は、医療で維持期のリハビリが続けられる(4)回復が見込めない進行性の神経・筋肉疾患(筋萎縮(いしゅく)性側索硬化症=ALSなど)も医療リハビリを継続する、などの見直しを行う。

 厚労省は、これらの改正で大半の患者を救済できるとみるが、リハビリの費用が膨らむのは確実。医療費の総枠は現状維持が求められるため、医療機関に支払われるリハビリの診療報酬を、日数の上限に達する1カ月ほど前から引き下げることも中医協に提案する。

http://www.asahi.com/life/update/0313/001.html