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2007年03月13日(火) 22時12分

夕張市長選、大混戦か 18陣営関心、再選挙心配の声も朝日新聞

 財政再建団体になった北海道夕張市で、4月の市長選が混戦の様相を見せている。今月13日までに市選管から届け出資料を受け取ったり、出馬の意向を示したりしたのは18陣営。どこまで本気なのかはっきりしない人もいる中、本命と見られていた現職が引退表明したため、多数が乱立すれば再選挙も、と心配する声も出てきた。

 4日の立候補予定者への説明会には6陣営(市内は1陣営)が出席。その後も資料請求する人が相次ぎ、9日に現職の後藤健二氏が引退表明すると、さらに2人が出馬の意思を明らかにした。

 1人は夕張出身の元会社社長(65)。後藤市長とは旧夕張北高校の同級生で、「市長が出ないなら私が」と13日に出馬表明した。もう1人は7期目の現職市議(59)。「財政破綻(はたん)を招いた戦犯」を自認していたが、ほとんどが「よそ者」という状況の中で、「地元から誰も出なければ市民の選択肢を狭めることになる」と決めた。

 真っ先に名乗りをあげた千葉県野田市の元市議(62)は7日に家族4人で越して来て、地元回りを始めた。全国各地で10回以上の出馬歴がある青森県の会社経営者(57)は「私財100億円を夕張再生に使ってもいい」と豪語する。

 帯広の無職男性(66)は「誰も出ないなら小遣い稼ぎに」と言いつつ、選管の様子を見に来た。「ど根性ガエル」のTシャツ、はちまき姿で説明会に出席した男性フリーター(33)は「供託金100万円はためた」と出馬宣言した。

 説明会にはカナダ在住の日本語放送プロデューサーも出席。選管には東京、大阪、新潟、愛媛などから照会が来ている。

 候補者が乱立すると「再選挙」の可能性も高まる。公選法では有効投票総数の25%以上得票しなければ当選できない。当選者がいなければ50日以内に再選挙が行われる。夕張市の有権者数は1万1524人(2日現在)。過去2回の市長選投票率は85%前後。今回は80%としても2300票以上が必要だ。

http://www.asahi.com/politics/update/0313/018.html