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2007年03月13日(火) 21時23分

京都市の新景観政策が成立 建物の高さ制限引き下げへ朝日新聞

 京都らしい眺望を守るため、建物の高さやデザインなどを規制する眺望景観創生条例など、京都市が打ち出した新たな景観政策に関する6議案が13日、市議会で全会一致で可決、成立した。これを受け、市は19日、市内全域の建物の高さの上限を45メートルから31メートルに引き下げる都市計画の変更を審議会に諮る。市全域の建物の高さを引き下げる規制は全国でも例がないという。一連の新規制は9月1日から実施される。

 渡月橋下流から望む嵐山など、眺望を守るための新たな条例では、一定の地域内で、視線を遮らないよう建物の高さを規制するほか、建物のデザインや色などの基準も定める。違反者には罰則も設けた。市は守るべき眺望として、送り火で知られる五山への眺めや、借景で知られる円通寺の庭園から見る比叡山など38地点をリストアップしており、今後正式に決める。

 また、屋外広告物に関する条例改正では、屋上広告物と点滅照明を使った屋外広告物を市内全域で禁止。すでにある屋上広告物などは最長7年を期限として撤去しなければならない。

 桝本頼兼市長は「古き良き京都を守りながら、時代をリードしていきたい。反対意見はあるが、これからも住民らへ支援策は検討していきたい。個人の財産は公共の福祉に制約されるのが世界の常識。ある程度の痛みは我慢してもらいたい」と述べた。

http://www.asahi.com/life/update/0313/012.html