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2007年03月13日(火) 01時53分

個人情報863万件、大日本印刷から流出…信販など読売新聞


個人情報流出について記者会見で謝罪する北島・大日本印刷社長(中央)ら

 大日本印刷(東京都新宿区)は12日、顧客の個人情報約15万人分を持ち出したなどとして逮捕された業務委託先の元社員が、これを含め信販大手や外資系生保など43社の顧客データ約863万人分を無断で持ち出していたと発表した。

 うち3社の顧客情報が最大約74万人分、詐欺集団などに漏えいしていた疑いも浮上しており、ダイレクトメール(DM)の作成を通じ、大企業の膨大な個人情報に触れる大日本印刷の情報管理のあり方が改めて問われることになりそうだ。

 個人情報の流出規模としては、2004年2月に発覚したソフトバンクBBの約452万人分を上回り、過去最大。少なくとも11社が大日本印刷に損害賠償を求める意向を示している。

 顧客情報を持ち出していたのは、大日本印刷がコンピュータープログラムの作成を委託していたシステム開発会社ロジックス(練馬区)の元社員横山博文容疑者(45)。横山容疑者は信販大手ジャックスの顧客情報約15万人分を持ち出し、うち約3800人分を詐欺グループに売ったとして、2月に警視庁に詐欺ほう助容疑で逮捕され、窃盗容疑で再逮捕された。

 記者会見した大日本印刷の北島義俊社長らによると、警視庁の捜索で、横山容疑者宅から大量の個人情報を記録した光磁気ディスク(MO)などが見つかった。このため、同社がこれらのコピーを分析した結果、いずれもダイレクトメールの作成を請け負った計43社の顧客情報で、863万7405人分に上ることが判明。データは顧客の氏名、住所のほか、保険証券番号やクレジットカード番号などで、01年5月〜06年2月ごろに流出したという。

 アメリカンホーム保険が約150万人分と最も多く、旧日本信販(現UFJニコス)が約119万人分、NTTファイナンスが約64万人分などと続く。

 特に、04年3月〜06年7月に発覚した旧日本信販の約10万人分、ディーシー(DC)カードの最大約48万人分、会計ソフト販売会社の弥生の約16万人分については、架空請求詐欺グループや通販会社に流出した可能性がある。

 横山容疑者は01年5月〜06年3月、同社の電算処理室でDMのプログラミングを担当。警視庁の調べに、同室で仕事を始めた直後から06年2月まで顧客情報を複写して持ち帰ったことを認めており、同庁は、ジャックスの顧客情報以外にも、外部に流した可能性があるとみて追及している。

http://www.yomiuri.co.jp/national/news/20070312it14.htm