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2007年03月13日(火) 10時00分

東京都知事選 乱立候補で不毛な選択日刊ゲンダイ

 タレント弁護士の丸山和也の“参入”で東京都知事選は乱戦模様になってきた。困るのは「石原はウンザリ」と思っている有権者だ。候補者の公約が似たり寄ったりになり、結局、石原有利の流れをつくりかねない。
 候補者乱立の都知事選は1999年がそうだった。当時の主だった候補は鳩山邦夫、舛添要一、明石康、柿沢弘治、三上満。そこに石原慎太郎が“後出しジャンケン”の土壇場出馬で当選したが、有権者の選択肢はバラバラになった。
「選挙に強い石原、というイメージがありますが、これは前回03年の308万票があるからです。99年には鳩山ら5人が60万〜80万票と票を分け合い、石原は166万票でした。保守系の無党派票がバラケてしまった。つまり候補者乱立は有権者の選択肢がアイマイになるのです」(事情通)
 で、今回はどうなるのか。共産党推薦の吉田万三を別にすれば、本来はタイプも政策も対照的な〈石原VS。浅野史郎〉の戦いになるはずだったが、黒川紀章の参戦と丸山が名乗りを上げることで混沌としてきた。
「黒川は石原に流れるはずの保守票を食うことになりますが、問題は丸山です。本人は『石原3選はおかしい』『カネのかからない東京五輪誘致を』『出馬すれば中高年の婦人層が支持基盤になる』と言っていますから、浅野に流れるはずの反石原票が集まることになるでしょう」(選挙関係者)
「ふくろう博士」こと教育評論家の古川のぼる氏(72)も意欲満々で、知事選は候補者乱立の気配。有権者の選択肢が増えるというより、政策がアイマイな不毛な混戦になりそうだ。

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20070313-00000005-gen-ent