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2007年03月13日(火) 10時00分

科研費詐取さらに拡大か日刊ゲンダイ

 厚労省の科学研究費補助金詐取事件で、同省医系技官で埼玉県保健医療部長の中村健二(49)らが不正に使った出版社「マルクインターナショナル」の口座に、複数の研究者からとみられる計数千万円の入金があることが10日、警視庁捜査2課の調べで分かった。
 捜査2課は同様手口の詐取がさらにあるとみて中村と、同社実質経営者で北朝鮮支援組織「レインボーブリッヂ」事務局長の小坂博幸(54)らを追及している。
 中村は鹿児島県保健福祉部長だった際、部下が研究にかかわった2001、02年度の厚労省の科学研究費補助金事業に絡み、マルク社から商品を買ったと装い、それぞれ余剰金約90万円と約120万円の返還を免れたとして逮捕された。
 調べなどによると、中村は部下に指示する一方、マルク社は架空見積書を提出。部下は振り込み送金し、プリンターのインクカートリッジなどの消耗品購入を仮装していた。
 捜査2課が調べたところ、マルク社の口座には数千万円の入金があることが判明。研究者とみられる複数の振り込み元が含まれていたという。
 同社の経営実体はないとみられ、インクカートリッジなどを販売した形跡もなかった。このため、捜査2課は逮捕容疑と同様の詐取をしていた疑いがあるとみて、送金の名目や詳細を調べている。

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20070313-00000006-gen-ent