記事登録
2007年03月13日(火) 00時00分

全日空機、前輪下りず決死の胴体着陸…大阪発高知行きZAKZAK

乗員乗客60人、けがなし

 全日空などによると、同機は午前8時9分、伊丹空港を離陸。機長(36)が着陸の直前に前輪が出ないのに気付き、同49分、管制官に連絡した。この時点で残りの燃料は約2時間分残されていた。機長は万一に備えるため、上空で燃料を消費した。

 午前10時25分、同機は滑走路に後輪を着地させて衝撃で前輪を出そうとしたが、出なかったため急上昇。同54分、胴体着陸を試みた。機体は火花を上げながら滑走したが、滑走路内で停止。安全が確認された同11時すぎ、乗客らが降機した。


東京・羽田空港で会見する全日空幹部=13日11時41分 この日は機長、副操縦士(34)、2人の客室乗務員に加え、56人の乗客が搭乗していたが、けがはなかった。

 機長は96年に副操縦士、03年に機長へ昇格した中堅パイロットだったが、「訓練しているので大丈夫です」といった適切な機内アナウンスで乗客の間で動揺はなかったという。同機や乗員の所属は全日空と名古屋鉄道の共同出資で設立された「エアーセントラル」(愛知)だった。

 今回事故を起こした機体は05年7月に全日空に引き渡されたもので、総飛行時間は約2967時間。近年、Q400型機は油圧系統などトラブルが続発していた影響で、全日空でも品質向上のための特別チームを組織し、ボ社と協議していた最中だった。

 同型機は全日空グループで13機、日本航空グループの日本エアコミューターで9機所有している。国土交通省は事故を受け、高知空港を13日いっぱい閉鎖。国交省は「耐空性改善通報(TCD)」を同日中に発令する見込みで、全機車輪の緊急点検を行うと発表した。このため、点検に時間がかかった場合は14日以降の航空ダイヤの乱れも予想される。

【関連記事】
◆全日空機、前輪下りず決死の胴体着陸…大阪発高知行き(03/13)
胴体着陸…上空で恐怖の2時間、全員無事に乗客ら拍手(03/13)
操縦の機長は機長歴4年「運航の路線にまんべんなく乗務」(03/13)
ボンバルディア社機、相次ぐトラブル…昨年まで国内77件(03/13)
在阪テレビ各局が速報…番組切り替え、胴体着陸生中継(03/13)

ZAKZAK 2007/03/13

http://www.zakzak.co.jp/top/2007_03/t2007031328.html