記事登録
2007年03月12日(月) 22時14分

自殺高1、前日に自分の首絞める 親に担任伝えず 大阪朝日新聞

 大阪府豊中市の大商学園高校で2月に1年生の男子生徒が自殺した問題で、生徒が遺体で見つかる前日、教室で自分の首を柔道着の帯で絞め、同級生に止められていたことがわかった。学校側はこうした事実を生徒が自殺した後になって両親に伝えていたという。

 生徒は岸祐太朗さん(16)=兵庫県宝塚市。2月27日朝、体育館3階の放送部室内で柔道着の帯で首をつって自殺しているのが見つかった。「息子が自殺した事実を学校にしっかりと受け止めてほしい」として両親が実名を公表した。

 同校によると、前日の2時間目終了後の休み時間に、岸さんが自分の席で首を柔道着の帯で絞めているのを、近くの女子生徒が見つけ、同級生らが止めたという。

 放課後になって経緯を知った担任が「そんなことしたらあかんよ。数学の補習、頑張りなさい」と注意。担任は同僚には相談したが、校長や両親には報告しなかった。27日夕に担任から報告を受けた校長らが自宅を訪れ、両親にこうした経緯を伝えた。

 自殺から約1週間後に岸さんの机の中から見つかった英語のプリントには、「死にたい、死にたい」という走り書きのようなメモがあったという。

 濱地茂樹校長は「休み時間に首を絞めた後も普段通り授業を受け、注意にも素直にうなずいていたと聞いている。自殺は予想できず、対応に問題はなかったと思う」。

 母紀子さん(42)は「自分で首を絞めたのは、明らかに自殺未遂。担任はその事実を把握しており、学校から親に連絡がほしかった。学校を信頼していただけに、その姿勢に憤りを感じる」と話している。

http://www.asahi.com/national/update/0312/OSK200703120089.html