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2007年03月12日(月) 10時00分

石原都政8年に怒る小笠原島民日刊ゲンダイ

 夫人同伴の豪華海外出張や四男への公費流用が発覚した石原慎太郎都知事(74)。昨年暮れにブチ上げた三宅島のバイクレース(今年11月予定)も「三男・宏高の選挙(東京3区)のため」「都政の私物化」と報じられているが、島といえば、小笠原諸島も石原知事のせいでグチャグチャになっている。
 海を渡る交通手段が6日に1度の連絡船しかない小笠原では、飛行場の建設が本土返還30年来の悲願。「東洋のガラパゴス」といわれる大自然の保護を図りながら、青島都政時代の98年に島民の努力が結実。都は父島の時雨山に建設を決定した。ところが、いよいよ工事に着手という01年、石原知事のツルのひと声で白紙撤回されてしまったのだ。ある島民が憤慨して言う。
「竹芝—小笠原間は連絡船で片道25時間半もかかる。地球の裏側のブラジルに行くよりも遠く、小笠原は“世界一遠い島”なんていわれています。しかし、石原知事は『自然破壊だ』『採算も合わない』と空港の建設計画をアッサリ反故。代わりに提案してきたのが超高速客船『テクノスーパーライナー(TSL)』の就航でした。東京まで片道16時間に短縮、運航回数も増やすというので、島民も妥協するしかないと考えたのですが……」
 建造費115億円をかけたTSLは04年に完成。「スーパーライナーオガサワラ」の船名を典子夫人が考案し、夫人自ら進水式のテープカットまでやった。その公私混同ぶりには呆れるが、島民を怒らせたのはそれだけじゃなかった。
「ガソリン価格の高騰などもあり、年間10億〜20億円の赤字になることが分かったのです。さらに都が補助金を出さないことを決めたため、運航会社は就航を断念せざるを得なくなった。結局、一度も営業することがないまま、船は岡山県のドックに入っています。知事はその後、空港建設計画に前向きになったため、今は新たに建設候補地の選定から検討し直しています」(小笠原村役場)
 石原知事に振り回された揚げ句、何十年待っても空港も船も手に入らない小笠原島民が哀れだ。

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20070312-00000009-gen-ent