記事登録
2007年03月12日(月) 10時00分

安倍参院選 小泉頼み日刊ゲンダイ

 小泉前首相が7日、中川幹事長を交えて、安倍首相と会談した。この師弟コンビが会談するのは安倍政権になってから初めて。永田町では「これまで遠慮していた小泉が前面に出始めた」「参院選で選対本部長を受けるつもりか」と、雑音が飛び始めている。
「安倍に政権をバトンタッチした小泉さんは、国会の本会議以外はほとんど表舞台から遠ざかっていた。自分がシャシャリ出るとマスコミが群がり、どうしても安倍との比較になる。そうなると再登板説が高まり、安倍の足を引っ張るからと、“静”に徹してきた。1月17日の党大会も、前首相なのに姿を見せなかった」(政界事情通)
 ところが2月20日、国会の自民党幹事長室に現れ、支持率急落に慌てる安倍内閣に、「支持率は上がるときも下がるときもある。鈍感力が大事だ」とメッセージを送り、注目を集めた。さらに今回の異例の会談だ。何があったのか。自民党関係者が言う。
「小泉は、自分の改革路線の後継者として安倍を指名した。ところが何をやってもヘマばかりで自信を失った安倍は、楽をしたくて森喜朗や青木幹雄に接近。仲がいいということだけで郵政造反落選組の衛藤晟一を復党させたり、小泉側近の中川幹事長を遠ざけ、小泉路線の継続にも熱意が見られない。小泉としたら、このままだと5年間の政治を逆戻りさせられると危機感を持ち始めた。それで、中川のセッティングで安倍に会ったのです」
 会談で小泉は、「参院選に負けても堂々とやれ」などと安倍に気合を入れたらしいが、それだけじゃない。
「参院選対策が話し合われたことは間違いない。惨敗だったらクビが飛ぶ首相と幹事長は、どうしても小泉人気が欲しいから、協力を要請したでしょう。旧森派内で囁かれてきた“史上初の首相経験者による参院選の選対本部長”説がぐっと現実味を帯びてきたともっぱらです」(前出の政界事情通)
 変わり者の小泉だけに、何をしても不思議じゃないが、どっちも完全にヤキが回ったようだ。

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20070312-00000012-gen-ent