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2007年03月12日(月) 00時00分

43歳バツイチ入試センター係長、雨夜の凶行一部始終ZAKZAK

付き添い上司2人追い払い、馬乗りに…

 元交際相手(26)を包丁で刺殺したとして、殺人容疑で逮捕されたのは、同センターの係長(43)。

 容疑者は1982年から18年間、東大で事務職員として勤務。独立行政法人になる直前の2000年に大学入試センターに異動し、現在は法科大学院の適正試験を担当していた。

 自宅は横浜市のJR保土ヶ谷駅に近い住宅街にある借家。近所や職場ではマジメで通っていた容疑者だが、3年前に妻と離婚。娘2人と妻は家を出て行き、現在は母親(79)と2人暮らしだった。

 殺害された女性は千葉県で両親と同居し、「キレイで感じの良い子」と近所でも評判だった。山田さんは3年前に同センターに就職し、小沢容疑者の部下となった。高校の同級生に「就職浪人せずにすんだ」とメールで喜びを伝えていたという山田さんだが、ここでの出会いが悲劇の序章となった。

 通夜の席上、公開された写真にはダイビングに興じる山田さんの姿。一方、小沢容疑者は自宅付近でサーフボードを積んだ車で出掛ける姿が何度も目撃され、「マリンスポーツ全般が好きだったようだ」(近所に住む住民)。共通の趣味が2人を結びつけたのか、容疑者は実の娘と同年代の女性と「離婚した前後から交際し始めた」(捜査関係者)というが、蜜月は長くは続かなかった。「女性は昨年3月に退職。今年1月ごろに別れを切り出したようだ」(捜査関係者)

 諦めきれない容疑者は、週末になると女性の携帯に執拗に電話。犯行前日から2日間職場を休み、「犯行当日の朝にも、職場に3回電話がかかってきていた」(同センター職員)。電話の取り次ぎを拒否され、犯行を決意する。

 午後7時。降りしきる雨の中、酩酊し、スーツをずぶぬれにさせた容疑者が女性の現在の勤務先、国立オリンピック記念青少年総合センターに姿を見せる。用心のためと上司2人が付き添っていたが凶行は止められなかった。上司らを包丁で威嚇。追い払うと、建物内に逃げ込んだ女性を追いかけた。

 センター内で清掃作業をしていた石材クリーニング業の作業員2人が、女性に馬乗りになる容疑者を取り押さえたが、首など8カ所をメッタ刺しにした。犯行時「許さないぞ。殺してやる」と叫んでいたという。犯行から3日を経ても、「殺すつもりはなかった」と供述しているが、捜査幹部は「たんなる言い逃れだろう」と見ている。事件当日、現場入り口まで女性の身を案じる男友達が迎えに来ていたという。通用門から入り口までのわずかな距離が、女性の未来を奪う分水嶺(ぶんすいれい)になってしまった…。

ZAKZAK 2007/03/12

http://www.zakzak.co.jp/top/2007_03/t2007031225.html