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2007年03月12日(月) 20時12分

漏れた取引先個人情報、43社863万人分 大日本印刷朝日新聞

 大日本印刷が取引先企業から預かった個人情報が流出した問題で、流出したのは信販、保険、流通など計43社の約863万人分の個人情報だったことがわかった。同社の業務委託先の元社員が持ち出したとして、2月に逮捕されている。大日本印刷が12日、公表した。

 同社はダイレクトメールの作成を依頼してきた企業の顧客情報を大量に預かっていた。元社員は01年5月から06年3月まで東京都新宿区の電算処理室で勤務。この間にサーバー内の個人情報をコピーして持ち出していたという。

 43社のうち信販大手ジャックスの約15万人分については元社員が詐欺グループに売り渡し、カードの不正使用があった。警視庁は、元社員がこのほかには個人情報を流してはいないとみている。

 大日本印刷によると、電算処理室には、社員約10人と業務委託先の約20人を含む30人程度が詰めており、持ち出したとされる元社員もその1人。サーバーの個人情報にアクセスし、記録媒体に書き出して業務に使う権限があったという。

 同社は「パソコンのログの記録と本人の仕事の内容を照会していれば、不正が分かったかもしれない。管理が不十分だった」と話している。同社によると、05年11月以前はサーバーやパソコンで扱ったデータの記録はとれないしくみで、逮捕まで元社員の不正に気づかなかったという。

http://www.asahi.com/national/update/0312/TKY200703120403.html