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2007年03月12日(月) 00時00分

日本株、春は遠い!?世界同時安一服も…警戒が必要!ZAKZAK

日銀利上げ、米成長鈍化なら年内1万5000円割れも

 【日銀説】

 2月26日に付けた今年の最高値1万8215円35銭から6営業日で8.6%も下落。6日になってやっと反発しだしたが、9日終値は1万7164円04銭。ピーク時との差はまだ1000円以上ある。今回の暴落は、中国の金融引き締め強化懸念などが引き金という中国発端説が濃厚だが、その一方、日銀に原因があるとする日銀発端説も根強い。

 クレディ・スイス証券チーフエコノミストの白川浩道氏は、「例えば、インド株。2月20日に日銀の追加利上げを織り込むように下落し、追加利上げの決定をはさみ、24日までに4営業日続落した。インド株が下落したところに、中国資産バブルの崩壊懸念や米国の景気減速観測など悪材料が重なったとみるのが妥当です」と指摘。これが世界同時株安を加速させたという。

 「ブラジル、ロシアなどのBRICsや新興国の下落がまだ続きそうなのでしばらくは警戒が必要。最悪の場合、下値として1万5500円もありえる」というから楽観は禁物だ。

 【2万円は無理?】

 年初には年内2万円と景気のいい観測も出たものの、暴落でそのシナリオに狂いは生じるのか。

 新光証券エクイティストラテジストの瀬川剛氏は、「ファンダメンタルズが変調していないので、今回の株安はそれほど打撃にはならないでしょう。証券優遇税制の続行を前提とすれば、平均株価は2万円になってもおかしくない」と条件付きでの達成を予測する。

 だが、白川氏は「日銀が利上げする姿勢を崩さず、米国の成長が大きく鈍化するなら、年内1万5000円割れもある。米景気の減速が懸念していたほどでもなく、日銀の再利上げ姿勢が和らげば1万6500円台の水準でしょう」。あくまで2万円はありえないとの立場をとる。

 注目された9日の株価指数先物・オプション3月物の特別清算指数(SQ)算出は無難に通過。「(下落の)峠は越した」(市場筋)と理解したいが、期待通りになってくれないのも株価。さて、週明け、あなたの持ち株はどうなるか−。

 

ZAKZAK 2007/03/12

http://www.zakzak.co.jp/top/2007_03/t2007031241.html