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2007年03月12日(月) 00時00分

普通預金の流出鮮明…金利差拡大、定期や投信にシフトZAKZAK

 普通預金に滞留していたお金が定期預金や投資信託などにシフトする動きが次第に鮮明になってきた。普通預金の金利はゼロ金利時代に比べれば多少上がったものの、水準は依然低いまま。より利回りの高い運用先を求め、お金が流れ出す傾向が続いている。

 日銀のマネーサプライ(通貨供給量)統計によると、普通預金などの「預金通貨」は昨年5月から前年比伸び率が鈍化し始め、12月には16年7カ月ぶりにマイナスに転じた。今年2月も0.3%減で、3カ月連続の前年割れとなった。

 一方、定期預金などの「準通貨」は1999年12月からマイナスが続いていたが、昨年10月にプラス転換。今年2月は2.3%増で、増加基調が定着してきた。

 日銀が量的緩和政策を解除した昨年3月以降、金融機関は市場金利の上昇に合わせて定期預金金利を段階的に引き上げたため、普通預金との差が徐々に拡大。これで「相対的に定期預金が有利になり、普通預金からお金が動いた」(熊野英生・第一生命経済研究所主席エコノミスト)ようだ。

 定期預金は今年2月の利上げ後、また金利が引き上げられた。この影響でさらに伸び率が高まるのか注目されそうだ。

 預金以外の金融商品へのお金の流出も加速している。マネーサプライ統計では昨年5月から「投資信託」の2ケタ増が続き、今年2月は過去最高の24.4%増を記録した。金融機関が投信販売を積極化させているためで、「貯蓄から投資へ」の流れを背景にお金の受け皿として急速に存在感を増しつつある。

ZAKZAK 2007/03/12

http://www.zakzak.co.jp/top/2007_03/t2007031244.html