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2007年03月11日(日) 00時00分

宇都宮の国道4号、「右折レーン」設置1か月読売新聞

事故減らず、渋滞激化 広報不足?

 交通事故が多発していた宇都宮市御幸町の国道4号に、約1キロの「右折待ちレーン」が2月5日にできてから1か月余りが経過した。沿道の施設に入る右折車両が安全に待機できる場所を新設し、それを緑のしま模様の「ゼブラ帯」で表示する全国初の試みだが、事故は減らず、朝夕には渋滞が激化した。浸透にはまだ時間がかかりそうだ。

 この1キロ区間で、2004年〜06年の3年間に発生した人身事故は115件。沿道のレストランや施設に入ろうとする右折車両に追突、衝突してしまうケースが多く、国土交通省宇都宮国道事務所は中心街へ向かう上り線を1車線減らし、上下線共有の右折レーンを設けた。

 住民の多くは歓迎しているものの、宇都宮東署によると、2月5〜26日までの事故は11件。むしろ前年同期比1件増だった。

 レーンの目印となる緑のゼブラ帯がドライバーに浸透しておらず、レーンに入らず、走行車線上で右折待ちをする車も少なくない。

 一方で、車線が減ったことは、朝夕に慢性的な渋滞を引き起こすようになり、寄せられた苦情は40件以上。近くの幼稚園では、送迎バスに約10分の遅れが出始め、あるバス事業者は、「路線バスのダイヤの見直しも必要になるかもしれない」と顔を曇らせる。

 国道事務所では、事故が減らない原因の一つに広報不足を挙げる。

 運用前には、住民にビラ500枚を配ったり、付近の歩道橋に横断幕を掲げたりしたが、沿道施設の利用者への呼び掛けなどはしていなかった。

 このため、国道事務所は、車線減を知らせる路面表示を新たに上り線に設けたほか、右折待ちレーンを知らせる看板を上下線に5個ずつ設置。沿道施設にも看板を設置する準備を進めており、「今後は広報にも力を入れ、半年ほど経過を見て効果を検証したい」としている。

http://www.yomiuri.co.jp/e-japan/tochigi/news001.htm