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2007年03月11日(日) 00時00分

<野中VS中川>自民分裂4度目 府議南丹市・船井郡選挙区読売新聞

府連、公認決定持ち越し

 4月の統一地方選に向け、自民党府連は10日、府議選(定数62)で公認候補が空白になっている南丹市・船井郡選挙区(同2)などについて協議した。南丹市・船井郡選挙区は、一昨年の郵政解散で野中広務元自民党幹事長の後継前議員が刺客新人の中川泰宏衆院議員にわずか156票差で敗れた衆院4区。両者がそれぞれ支援する新人、現職の公認争いはこの日も決着せず、府知事選以来4度目となる〈野中VS中川〉の自民分裂選挙になる様相が強まった。

 「支部の決定は中川系議員、党員だけでやったのではないのか。意思決定の正当性が疑われている」

 京都市内で開かれた選挙対策常任委員会。出席した複数の府連幹部によると、地元党支部の支持を取り付けた中川衆院議員が推す府議の公認申請に、府連相談役の野中元幹事長らは真正面から異を唱えた。

 元々、野中支持だった府議は郵政解散を境に中川衆院議員に接近。今回の府議選では、中川衆院議員が後ろ盾に回った。

 これに対し、野中元幹事長は「(府議を)政治家として認めていない。黙ってはおれない」と、新人の前南丹市議を支援、公認獲得に動く。

 両者が譲らないまま、迎えた選対委員会で、中川衆院議員は「正当な支部の手続きを踏んでいる」と反論したものの、公認決定は持ち越しに。

 「(公認は)こちらで決まりやろ」。選対委員会後も中川衆院議員は自信を崩さず、一方、野中元幹事長は口を閉ざしたまま、足早に車に乗り込んだ。

 次回の選対委員会は17日の決起集会1時間前に開かれる。「必ず公認されると確信している」(府議)、「公認がなくても出る」(新人)。両者とも引く気配はない。

 2人の対立は、自民などが推薦する山田知事に中川氏が挑んだ知事選(2002年)、郵政解散(2005年)、両者が支持する候補者同士が争った南丹市長選(06年)と続く因縁だ。

 選対委員会を終えた府連幹部の一人が嘆く。「まるで夫婦げんかを聞かされているよう。野中さん、中川さんの顔色を見ていても、公認なんて決められない。両方推薦して、強いほうが府議会に出てこい、しかないかもしれない」

http://www.yomiuri.co.jp/e-japan/kyoto/news001.htm