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2007年03月11日(日) 00時00分

春 さあ県内の花満開読売新聞

 県内は日に日に春の色を濃くし、備前市の閑谷学校で色とりどりの梅の花が見ごろを迎えた。岡山市の半田山植物園では、黒い色のパンジーもお目見え。和気町では、町を代表する相撲界の“フジ”も満開の花を咲かせようとしている。


気品を漂わせるブラックパンジー(岡山市の半田山植物園で)

■パンジー■ ひと味違う大人の気品 半田山植物園

 岡山市法界院の半田山植物園に、珍しい黒色のパンジーが花を咲かせ、入場者の目を楽しませている。墨汁のような花びらを風になびかせ、かれんな黄色や白色とはひと味違う、大人の雰囲気を漂わせている。4月いっぱいまで楽しめる。

 同園によると「ブラックパンジー」という種類で、10年ほど前に紫色や黄色を交配させて人工的に開発された。市場に出回っている数は少なく、ほかに県内で栽培している公園や植物園はないという。

 同園は昨年9月に種350粒をまいたが、黒色よりも濃い紫色になる確率が高いため、成功したのは30本のみ。職員の銅谷徳夫さん(35)は「気品があって、落ち着いた雰囲気が自慢。めったに見られない『レアもの』なので、ぜひ足を運んで」と話している。


見ごろを迎えた閑谷学校の梅林(備前市閑谷で)

■ 梅 ■ 早く咲きすぎ? 閑谷学校

 庶民のための日本最古の学校「閑谷学校」(備前市閑谷、国特別史跡)の梅林で、約40本の白梅、紅梅が見ごろを迎えた。暖冬の影響で予想外に早く、17、18日に観梅の会を開く同学校顕彰保存会は「ゆっくり咲いて」と気をもんでいる。

 梅林は国宝・講堂などを囲む石塀(総延長765メートル)の南側に広がり、最初に紅梅が昨年より約3週間も早い2月中旬に開花した。現在、ほぼ満開で、遅咲きのツボミの膨らみも日に日に緩んでいる。

 観梅の会では両日とも午前10時と午後1時半に「梅ウオーク」が行われ、明治の廃藩置県で廃れた同学校を再興した学長、西薇山(にしびざん)の旧住居や碑を約1時間かけて歩く。

 問い合わせは同顕彰保存会(0869・67・1427)へ。


高見藤関に贈る化粧まわしを披露する徳永社長(中央)ら(和気町藤野の徳永こいのぼりで)

■ フ ジ ■ 「和気の誇り」化粧まわし贈る 高見藤関に町後援会

 大相撲の新十両(東13枚目)高見藤関(26)(東関部屋、本名・横山英希)に和気町の後援会が贈るフジの花などをあしらった化粧まわしが、大相撲春場所(大阪府立体育会館)前日の10日、新調された。初土俵から3年目、町の名を広める色鮮やかな刺しゅうに、町民の応援熱は高まっている。

 化粧まわしは10日午前、大阪市内の業者への製作を仲介した同町藤野のこいのぼり製造販売会社「徳永こいのぼり」に宅配便で届けられ、同社の徳永深二社長(59)らが披露した。

 皇位をうかがった道鏡事件を阻止したり平安遷都での活躍などで知られる同町生まれの和気清麻呂の像や同町を代表する花のフジをあしらったデザインで、製作費115万5000円は後援会が負担した。

 このあと、徳永社長と後援会長の町体育協会長藤本道生さん(75)、事務局員の町教委社会教育課長三村清介さん(53)の3人で、大阪市平野区の大念仏寺にある東関部屋のけいこ場を訪問。東関親方の前で、必勝の札と足腰の健康を祈願するお守りとともに、高見藤関に化粧まわしを手渡した。

 藤本さんらは親方を交えて約30分間、歓談。高見藤関は地元の熱い応援に「すばらしいデザイン。うれしい」と感激し、初日の玉力道(西12枚目)との対戦に向け、「けいこもうまくいき、体調もいい。頑張ります」と闘志を見せていたという。

http://www.yomiuri.co.jp/e-japan/okayama/news001.htm