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2007年03月11日(日) 12時23分

「米国は拉致問題見捨てた」…ボルトン氏、厳しく批判読売新聞

 【ワシントン=坂元隆】ジョン・ボルトン前米国連大使は8日、本紙と会見し、5〜6日に行われた米朝国交正常化作業部会に関連し、「拉致問題が解決するまでは、米政府による北朝鮮のテロ支援国指定解除は交渉すらすべきでない」などと北朝鮮の核問題をめぐる6か国協議の交渉を厳しく批判した。

 ボルトン氏はブッシュ政権内の強硬派として知られたが、任期延長で議会の承認が得られず昨年12月に辞任した。

 ボルトン氏は、北朝鮮が寧辺の核施設を停止・封印することなどの見返りに金融制裁の解決や5万トンの重油供給などを決めた6か国協議の2月の合意について、「北朝鮮が自発的に核兵器を放棄することなどあり得ない。極めて悪い合意だ」と指摘した。

 米朝作業部会で、日本人拉致問題に関連するテロ支援国指定解除問題が取り上げられたことについては、「米国は日本を、とりわけ拉致問題を見捨てた」とし、「指定解除は、日本が拉致問題で満足のいく解決を得るまで議論すらすべきでない」と述べた。

 そのうえで、北朝鮮やイランの核問題解決には、「経済的、政治的に圧力をかけ、西側との金融取引を禁じるなどして内側から体制変革を促していくしかない」と主張。北朝鮮の核放棄を確認するには、国連安全保障理事会常任理事国の査察官による、場所や日時を問わない「侵入的査察」が必要と指摘した。

http://www.yomiuri.co.jp/world/news/20070311i103.htm