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2007年03月11日(日) 00時00分

新手の振り込め詐欺/定形小包郵便で送金朝日新聞

日本郵政公社が「いつでも手軽に素早く送ることができる」サービスとして03年に始めた、定形小包郵便(エクスパック)で現金を送らせる新手の振り込め詐欺が県内で増えている。県警安全・安心まちづくり推進室によると、この手口での被害は、昨年から増え始め、県警が把握しているだけで06年は10件(被害総額980万円)、今年は2月末までに3件(同350万円)を数えている。(古田真梨子)

定形小包郵便は、1枚500円の専用封筒があれば、窓口に出向かなくても荷物を送ることが可能だ。封筒は郵便局やコンビニエンスストアで購入でき、ポストに投函(とう・かん)すればいい。県警は「指定された口座に金融機関から振り込むオレオレ詐欺のように、窓口で食い止めることが難しい」と警戒している。
 喜多方署管内で2月、「融資を受けるための信用と保証のため送金してほしい。郵便局の定形小包郵便を利用してほしい」などと言われ、被害にあったケースが2件続いた。同署によると、理容師女性(38)は9万9千円、会社員男性(29)は57万7千円を定形小包郵便で送金。予定日を過ぎても融資が受けられず、だまされたことに気付いたという。

県警によると、同様の手口は全国的に増加傾向にあり、警察庁はホームページで被害者が現金を送付したあて先を公表(2月20日現在、35カ所)している。日本郵政公社東北支社は、昨年6月から、専用封筒の購入者に、振り込め詐欺の注意喚起をするようになった。だが、「コンビニで購入して、町中のポストに投函される場合は防ぎようがない」(同支社広報室)のが現状だ。
 県内のこの手口による被害額の最高は230万円。県警安全・安心まちづくり推進室の担当者は「被害額が大きくなる傾向にある。カモだと思えば搾り取るところまで搾り取られる。『おかしい』と疑うことが大切」と話している。

http://mytown.asahi.com/fukushima/news.php?k_id=07000000703110001