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2007年03月11日(日) 00時00分

塾生たち 晴れて小学校先生に 『師範館』初の卒塾式 東京新聞

 杉並区が全国の市町村で初めて開設した教員養成塾・杉並師範館の第一回卒塾式が十日、同区立済美養護学校であり、一期生二十人が一年間の修練を糧に、区立小学校の教員として巣立った。

 塾生たちは一人一人、田宮謙次塾長(元米国ソニー会長)から卒塾証書を受け取った。田宮塾長は「先生になりたい願望を決意に変えた一年だったと思う。師範館の評価はこれからの皆さんの活動にかかっている」と激励。塾生を代表して伊藤慎悟さん(30)が「自分たちが師範館で受けた愛情を、今度は子どもたちに注ぎたい。一期生の誇りを胸にまっすぐ歩いていく」と決意を語った。

 最年長の元高校教員渡辺紳一郎さん(38)は「とにかく頑張るしかない」、最年少の短大生救仁郷(くにごう)めぐみさん(19)は「子どもとともに自分も成長していきたい」と抱負を述べた。

 師範館は、都採用の区立小学校の教員に加え、区独自に採用するための教員養成塾として、昨春開設。全国から公募した塾生は毎週土日曜に学習を続けてきた。

 区立小学校での教育実習や指導力向上の演習だけでなく、著名人の講義や社会体験のカリキュラムで、区の教員として地元の事情に詳しく、視野の広い教員としての資質を磨いた。

 一期生二十人は既に区の採用試験に合格しており、今春、区立各小学校に配属される。 (松村裕子)


http://www.tokyo-np.co.jp/00/tko/20070311/lcl_____tko_____001.shtml