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2007年03月11日(日) 00時00分

ドラフト改革加速へ 裏金問題 西武球団処分も 東京新聞

 プロ野球、西武が東京ガスの木村雄太投手と早大の野手に金銭を供与していた問題は10日、球界に波紋を広げた。プロ野球コミッショナー事務局の長谷川一雄事務局長は同日、西武に対して「しかるべき処分を考えなければいけない」と述べた。プロ球界では、ドラフト制度の改革を求める声も高まった。 

 コミッショナー事務局は12日、西武の太田秀和オーナー代行らから事情説明を受ける予定。

 12球団代表者会議で、現行のドラフト制度を検討してきた楽天の米田純球団代表は10日、アマ選手への金銭供与などを禁じた「倫理行動宣言」を決めた後も、スカウト活動に裏金が存在していた点を重視し「(クリーンだという)前提が崩れたので、影響しないということはない」と述べ、改革促進のきっかけになるとの見方を示した。

 13日には、日本プロ野球組織と日本プロ野球選手会がドラフト会議の実施方法をめぐって協議する予定になっている。大学・社会人の有力選手1人を自由獲得できる「希望枠」に反対だった選手会は、さらに強く撤廃を求める意向だ。球団側にも今回の問題を契機に、同枠の廃止を求める意見が出る可能性がある。

 アマチュア球界も日本社会人野球協会が週明けにも理事総会を予定しているほか、日本高野連も事実調査を要求。西武の裏金供与問題の全容解明が急務となっている。

■『信じてたのに…』

 裏金問題が発覚した西武は10日、太田秀和オーナー代行がロッテとのオープン戦(グッドウィルドーム)の試合前にナインに経過を説明し、謝罪した。同代行は「(開幕間近の)この時期で選手には大変申し訳ない気持ちがあった」と神妙な表情で語った。

 チームは動揺を隠せなかった。伊東勤監督は「そういうことはないと信じていた。うちだけでなく野球界のイメージが悪くなった」と困惑気味。和田一浩外野手は「まさかそんなことが…」と言葉を失った。選手会長の赤田将吾外野手も「がっかりしたファンもいると思う。信頼を取り戻すにはいいプレーをするしかない」と深刻に受け止めた。

 球団はこの日から関東エリアで放送を予定していたPR用のテレビCMの自粛を決定。球団には批判のメールも届き、太田代行は球場開門時にファンを出迎えた際に「辞めろよ」などと罵声(ばせい)も浴びた。松坂大輔投手が米大リーグのレッドソックスに移籍し、ファン離れが心配される中での不祥事。球団関係者からは「(観客減を)懸念している」との声も上がった。


http://www.tokyo-np.co.jp/00/spo/20070311/mng_____spo_____005.shtml