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2007年03月11日(日) 12時38分

大型トラック車輪の固定状況、脱落防止へ点検義務化朝日新聞

 大型トラックのタイヤ脱落事故を防ぐため、国土交通省は自動車点検基準などを改正、4月から車検や法定点検時に、ボルトを規定の力で締め付けることや傷の有無の確認を義務付ける。死亡事故にもつながるタイヤの脱落事故は、過剰な締め付けなどで車輪を固定するボルトが折れて起きることが少なくない。これまで現場では規定値以外での締め付けが常態化していたとみられている。

 見直しの対象となるのは、車両総重量8トン以上の大型トラックと定員30人以上のバス。整備工場などで行う年1回の車検時は、ホイールを外してボルトの亀裂や傷を詳しく点検し、締め付け力を測定できる専用工具を使って規定の力で固定する。3カ月点検での適切な締め付け、ユーザーによる日常点検でも締め付けの緩みやボルトが折れていないかどうかのチェックが新たに義務化される。

 現行では、締め付け力やボルトの傷の確認は点検項目にないか明確に記されておらず、点検者に委ねられてきた。国交省は、業界団体を通じて整備工場やユーザーに注意を呼びかけてきたが、実効性に乏しいと判断した。

 国交省によると、車輪は8〜10本のボルトとナットで車軸側に固定されている。ボルトが折れて車輪が脱落した事故は99年1月から昨年10月の8年弱に211件発生。国内大手4メーカーで同じように起きた。

 車輪と車軸を結ぶ部品・ハブのリコール問題で、三菱ふそうトラック・バスが昨秋から実施した緊急点検では、締め付け力が規定値以上のケースが約9割と常態化していた。

http://www.asahi.com/national/update/0310/TKY200703100193.html