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2007年03月11日(日) 00時00分

〈TV端会議〉バトル 正社員vsハケン それが何か?朝日新聞

 今季の人気ドラマ「ハケンの品格」も14日に最終回。主人公のスーパー派遣社員、大前春子(篠原涼子)と正社員の東海林主任(大泉洋)のバトルをどんな思いで見ていましたか。

 「思っていることをあんなに正社員に言えたら気持ちいいだろうなあ。派遣社員が提案した企画が優秀だったため、正社員にいじめられた話は、本当にありそうな話で切なかった」(大阪府・島田亜季・28歳)

 「大前春子の正社員に対するりんとした言葉の投げっぷりには毎度スカッとする思いです」(さいたま市・ピンポン・55歳女性)

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 体験談も多く寄せられました。

 「派遣歴10年。正社員は就業中にお茶に行ってもだれもとがめない。でもこちらが仕事を終えて帰ろうとすると『手伝ってやればいいのに』、残業すれば『残業代を稼ごうと思って』と言われる」(広島市・ここにある・33歳女性)。「私も派遣。私より後に入社した正社員が仕事を頼んでくるのを我慢してやっていましたが、ある日、怒りが頂点に達したのではっきり言ったことがある。大前さんをみるとすっきりします」(千葉県・ゆみこ・27歳女性)。「納得いかないことがあり、正社員に『こんなことをやっていたら今に会社がなくなる』と進言。正社員からは『おれの立場もわかってくれ』と言われた。その会社はやっぱりなくなりました」(千葉県・しゅのぼん・31歳女性)

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 脇役の丁寧な描写にも支持が。

 「派遣会社に勤める一ツ木さんの存在がイケてる。派遣先も派遣元も、担当者は苦労している。彼の存在が物語にリアル感をもたらしている」(東京都・ハケンの貧か苦・24歳女性)

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 昔から続く“二重構造”に特に女性は敏感です。

 「ひと昔前なら男性社員VS.一般職女性だったのでは。派遣を大事にできない会社は正社員も大事にできないと思う」(兵庫県・乾美智・35歳)

 高校生からはこんな感想が届きました。

 「バイトをしていますが、上司の品格によって自分の品格まで決まってしまうのでは。将来、正社員になるにしても派遣社員になるにしても、正しいことを正しくやっていける人間になろうと思いました」(大阪市・藤田新子・17歳)

◆記者もひとこと

 上司のイエスマンで外面がいい主任、弱者に優しいけど責任をとれない若手社員。悪気はなくて、でも社内で立ち回るのがうまそうな「いい人」がぞろぞろ描かれたことにうなりました。悪人より、いい人ぶって「まあまあ」と言ってる人の方が、立ち向かうのは100倍やっかいですもんね。「フツーの人が頭にくる状況」をよくわかってるなあと脚本家の中園ミホさんの観察力に感服しました。「上司の品格は部下の品格」と指摘した高校生にはざぶとん一枚!

http://www.asahi.com/culture/tv_radio/TKY200703090234.html