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2007年03月11日(日) 00時00分

目と耳で楽しめる笠間焼スピーカー登場朝日新聞

茨城町の県工業技術センターが笠間焼作家や電子機器メーカーと共同で、陶器の笠間焼スピーカーを開発した。注文に応じて作家がデザインを手がけ、目と耳で音楽を楽しめる。陶器を使った音楽機器として県内初の「ブランド化」を目指し、5月から販売を予定している。
     (清水大輔)

 笠間焼スピーカーは基本デザインを同センターの広瀬純さん(27)とアルフォニック電子(小美玉市)が、スピーカーボックスを笠間市在住の笠間焼作家北川隆夫さんと藤本均さんが開発した。

 今回製作した陶器のボックスはタマゴ型で、長さは約20センチと約40センチの2つ。木製などのスピーカーボックスの場合、スピーカーと箱の両方で音を響かせるが、陶器の場合、振動はわずかなため、スピーカーからの「素直な音を楽しめる」と広瀬さん。

 自分で組み立てられるのも特徴の一つだ。穴の大きさや形、位置などを注文すれば、手持ちのスピーカーユニットを組み込むことも可能だ。音質の好みに応えられるようにボックスの大きさや粘土の材質を変えられ、表面の色合いや絵柄を作家と相談して決めることもできる。

 きっかけは昨年4月、同センターがアルフォニック電子と共同開発した真空管アンプと笠間焼カバーだった。茨城にしかないデザインのアンプカバーを作ろうと笠間焼作家に相談。食器などを中心に創作している北川さんたちは「笠間焼の可能性を広げたい」と快諾。「照響陶(しょう・きょう・とう)」という名前をつけ売り出した。

 真空管アンプ単体で60万〜80万円、笠間焼ボディーは約15万円と高額だが、これまでに2件の注文があった。スピーカーも同じ「照響陶」というブランド名で売りだそうと考えている。

 受注生産のため、注文を受けた後、4カ月から半年かかる。価格は約5万〜三十数万円だが、デザインなどを作家と話し合って決めたい場合は要相談という。

 広瀬さんは「茨城にしかない、自分だけのスピーカーで好きな音楽を楽しんでほしい」と話す。問い合わせはアルフォニック電子(FAX0299・46・6802)へ。

http://mytown.asahi.com/ibaraki/news.php?k_id=08000000703110001