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2007年03月11日(日) 10時01分

3選に赤信号点滅「石原陣営 空中分解危機」日刊ゲンダイ

 石原危うし——そんな声が日増しに強まっている。早々と出馬表明し、準備万端で浅野を迎え撃つはずの石原の選対が、「実はてんで動いていない」(関係者)というのである。過去2回の選挙では考えられなかったような事態が起こっている。

 石原が都知事選に出馬表明したのは、昨年12月。それから3カ月もたっているのに、周囲から漏れてくるのは「大丈夫か?」という声ばかりだ。
「これまでの選挙では、必ず支援を求める挨拶が、石原さん本人や選対からあったものです。ところが今回は全くない。選挙まで秒読みなのに一体どうなってるんでしょう」
 こう言うのは、長く石原を支援してきた有名企業の幹部だ。
「政党に関係なく熱心に石原を応援してきたのに、今回はもういいのか」
 怒りをあらわにする有力後援者もいる。挨拶がないのは、過去2回の選挙ではフル回転で協力してきた2つの宗教団体についても同じらしい。
「いまさら(支援要請が)来たとしても会員たちに浸透するかどうか」
 宗教団体幹部は突き放していた。
「後援者、支援者への挨拶回りどころじゃありませんよ。選対に聞くとポスターやマニフェストもまだできていないというのです。選挙事務所は新橋に借りたが、駐車場のないビルの1階。駐車場がなくて、選挙戦をどう戦うのか。もっといい物件があったのに、『何やってんだ』という不満も聞こえてきます。事務所開きは18日ですが、招待状もきていません」(後援会関係者)
 石原選対の選対本部長は、長男で自民党幹事長代理、自民党都連会長の伸晃だ。国会議員の三男・宏高らファミリーが支援する。しかし、石原は自民党の推薦を拒否した。
 党におんぶに抱っこの選挙戦を考えていた伸晃は、すっかり目算が狂ってしまった。トップがこれでは、下が動かないのも当たり前。焦りまくっている石原はつい最近、側近の浜渦武生元副知事に助けを求めたというから、完全に尻に火がついている。
 一方の浅野はテレビに出ずっぱりで知名度をぐんぐん上げている。都政の私物化が批判され、支持率大幅下落の石原は、今や劣勢に立たされている。

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20070311-00000011-gen-ent