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2007年03月10日(土) 00時07分

ドラフト改革、論議裏切る不祥事 西武の裏金問題朝日新聞

 9日に発覚した西武の不祥事は、球界でドラフト改革を論議している最中のことだった。

 日本プロ野球組織(NPB)は、2月のドラフト制度検討委員会(委員長=山中正竹・横浜専務)を経て、5日の代表者会議で今秋のドラフト方式の方向性を決めた。13日に日本プロ野球選手会と話し合った上で、正式に決めることになっている。

 ドラフトは05年から、高校生と大学・社会人を分離し、大学・社会人には選手が球団を選べる希望入団枠を設ける方式で行っている。2年の暫定期間が終わり、今秋から見直すべきかどうかを話し合っていた。

 希望入団枠については廃止を訴える球団の方が多かったが、巨人の清武代表は「現行のドラフトに大きな問題はない」と主張した。

 05年6月には12球団から新人選手獲得に関する「倫理行動宣言」が出されており、2月のドラフト制度検討委員会では、12球団のスカウトらを集めた上で、「倫理行動宣言以降、不正のうわさも聞かれなくなった」(長谷川・コミッショナー事務局長)という結論で落ち着いていた。

 NPBは13日の選手会との折衝では、希望入団枠を残す案を示す予定。これに対し、希望入団枠廃止を訴えている選手会の松原事務局長は「NPBからは不正はしていないとずっと説明されてきたのに、こうやって出てきた。不正が起きる可能性を持つ希望入団枠は廃止すべきだ」と話す。

http://www.asahi.com/national/update/0309/TKY200703090395.html