2007年03月10日(土) 08時01分

厚労省医官ら逮捕　補助金詐取　北支援ＮＧＯと共謀（産経新聞）

　厚生労働省が支給する厚生労働科学研究費補助金（科研費）約２１０万円をだまし取っていたとして、警視庁捜査２課は９日、詐欺容疑で、同省医系技官で埼玉県保健医療部長として出向中の中村健二容疑者（４９）と、北朝鮮を支援しているＮＧＯ「レインボーブリッヂ」（東京都中央区）代表代行、小坂浩彰こと小坂博幸容疑者（５４）ら３人を逮捕、同団体を捜索した。中村容疑者は小坂容疑者と共謀するなどし、総額で３０００万円近くの科研費を詐取した疑いもあるという。捜査２課は、だまし取った金の使途など不正の全容解明を目指す。

　ほかに逮捕されたのは、小坂容疑者が代表取締役を務めていた会社「マルクインターナショナル」社員、梶浦裕高容疑者（４３）。中村容疑者は「間違いありません」と容疑を認め、小坂容疑者らは否認。中村、小坂両容疑者は１０数年来の友人だった。

　調べでは、中村容疑者らは鹿児島県保健福祉部長として出向中の平成１３年度〜１４年度、京都府の大学医学部の教授を主任研究員とする障害者福祉の研究事業に支給された補助金約３０００万円のうち、余剰金約２１０万円をマルク社との取引に使ったことにして厚労省に返還せず、詐取した疑い。

　中村容疑者は同県で直属の部下だった課長補佐と係長の２人を分担研究者などにし、分担金として３７０万円を受け取ったが、このうち１３年度に約９０万円、１４年度に約１２０万円の余剰金が出た。

　この余剰金について中村、小坂両容疑者らは共謀してだまし取ることを計画。マルク社からプリンターのインクなどの消耗品を購入したように装った架空の見積書を作らせたり、主任研究員の教授に虚偽の収支決算報告書などを部下に提出させたりしていた。

　小坂容疑者は１２年、レインボーブリッヂを設立。１４年には北朝鮮に拉致された横田めぐみさんの娘、キム・ウンギョン（ヘギョン）さんと平壌で面会した。昨年７月には水谷建設の脱税事件で、東京地検特捜部の捜索を受けた。

　中村容疑者は慶応大医学部を卒業後、昭和５９年に旧厚生省へ入省。厚労省総務課企画官などを経て、１７年４月から埼玉県保健医療部長を務めていた。

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20070310-00000000-san-soci