記事登録
2007年03月10日(土) 00時00分

銚子市調整手当打ち切りは「無効」 地裁朝日新聞

銚子市の野平匡邦前市長が専決処分で職員の給与条例を改正し、調整手当(本給の2%)の支給を打ち切ったのは無効だとして、同市職員ら882人が市を相手取り、未払いになっている05年6月〜06年3月分の支給などを求めた訴訟の判決が9日、千葉地裁であった。堀内明裁判長は、市側に約9200万円の全額を支払うよう命じた。

原告代理人によると、800人もの職員らが調整手当の支払いを求めて市を提訴したこと自体が異例で、勝訴したのは初めてという。

 判決によると、野平前市長は05年3月の市議会まで、3度にわたって調整手当を廃止する条例案を提出したが、いずれも否決された。その後、同5月に議会にかけない専決処分で廃止条例を制定。同6月から、地方自治法の改正で調整手当の根拠が失われた06年4月までの間、支給を打ち切っていた。

 市側は訴訟で「『民間賃金や物価などが特に高い地域』に該当しない銚子市の職員に(地域格差を是正するための)調整手当を支給する条例は違法」と主張していた。

これに対し、堀内裁判長は、(1)調整手当が支払われている近隣市町村や県職員の待遇を考慮して職員確保を図る必要性があったことは否定できない(2)市職員の給与額は抑制されていた——と指摘し、同市の調整手当の違法性を否定した。

 その上で、野平前市長が行った専決処分について、「市議会の議決を免れることを意図したものと評価されても致し方ない」と述べ、無効だと判断した。

 野平前市長は06年7月の市長選で落選している。同市の岡野俊昭市長は「内容を十分に検討し、早急に結論を出したい」とのコメントを出した。

--------------------------------------------------------------------------------

http://mytown.asahi.com/chiba/news.php?k_id=12000000703100001