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2007年03月10日(土) 15時28分

NGO代表代行の会社口座に3千万円入金 補助金詐欺朝日新聞

 厚生労働省技官らが科学研究費補助金をだまし取ったとされる事件で、詐欺容疑で逮捕された人道支援NGO「レインボーブリッヂ」代表代行・小坂博幸容疑者(54)が社長を務めていた出版・医薬品販売会社「マルクインターナショナル」の複数の口座に計約3000万円の入金があったことが、警視庁の調べでわかった。同社は当時、営業実態がほとんどなかったとみられることから、同庁は、同様に補助金をだまし取った金が含まれている疑いもあるとみて、同社の口座の金の流れを調べている。

職員が見守る中、捜索に入る警視庁の捜査員=10日、埼玉県庁で

 捜査2課は10日午前、厚労省から出向していた中村健二容疑者(49)=詐欺容疑で逮捕=が保健医療部長を務めていた埼玉県庁(さいたま市浦和区)を家宅捜索した。

 中村容疑者らは鹿児島県保健福祉部長に出向していた当時、厚労省が京都府内の大学の教授に支給した厚生科学研究費補助金の01、02年度分のうち、余剰金となった210万円を返還せずにだまし取ったとして、逮捕された。

 調べでは、マルク社は93年の設立で東京都中央区に事務所があり、04年に三重県四日市市に移転したとされるが、現在は中央区に再移転したとみられる。登記簿上は医薬品・医薬部外品や自動車、農業用機械器具などの輸出入、販売を目的に掲げているが、少なくとも補助金の詐取事件があった01〜02年ごろには営業の実態はほとんどなかったとみられている。

 逮捕容疑となった補助金詐取では、中村、小坂両容疑者らが余った補助金を使い切ったように装うため、マルク社がプリンターのトナーカートリッジなどを売ったとする偽装工作を行ったが、当時そのような事務機器類を同社が販売していた形跡はないという。

 しかし、当時の同社口座には約3000万円の入金があり、大学などの研究者からとみられる入金もあることから、同課は中村容疑者が関係した同省のほかの補助金でも小坂容疑者の会社が絡む不正流用があった可能性があるとみて調べている。

http://www.asahi.com/national/update/0310/TKY200703100131.html