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2007年03月10日(土) 22時42分

津波予報の精度を向上、気象庁が年内にシステム改良読売新聞

 津波予報の精度を上げるため、気象庁は年内にシステムを改良する。

 津波を起こした地震の発生メカニズムを推定できた時点で予報に反映させ、適切なタイミングで警報や注意報を解除・変更し、予報の信頼性を高めることを狙う。

 気象庁は、日本近海で発生する地震がもたらす津波のパターンを約10万通り算出し、コンピューターに保存している。実際に地震が発生すると、観測に基づいて震源の深さや規模が一番近いパターンの津波を引き出し、警報や注意報として発表している。

 ただ、用意しているパターンは、断層が、大きな津波を起こしやすいずれ方をした場合だけを想定している。現実には、断層のずれ方は地震によってまちまちで、2005年3月の福岡県西方沖地震など、津波注意報が空振りに終わるケースが少なくない。

 改良後のシステムでは、断層のずれ方の想定パターンを増やす。実際に地震が起きた場合、2〜3分後の警報・注意報は従来通りだが、発生から約10分後に推定された断層のずれ具合を一番近いケースに当てはめ直し、予報の解除や変更に生かすという。

 同庁地震津波監視課の担当者は「津波予報の解除や変更が迅速・正確にできる。津波予報が出たらすぐに逃げてもらうのが前提だが、早く帰宅したい人の思いを実現できる」と話している。

http://www.yomiuri.co.jp/science/news/20070310i313.htm