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2007年03月10日(土) 00時00分

個人情報を不正入手 FBI テロ捜査目的を逸脱 東京新聞

 【ワシントン=小栗康之】米司法省は九日、連邦捜査局(FBI)が国民の通話記録や個人情報を不正に入手していたとする報告書を上下両院に提出した。一部には違法性が高い内容も含まれるという。米国内ではテロ対策を大義にプライバシーを軽視した盗聴や個人情報入手が以前から問題になっており、今回の件でもブッシュ政権への批判が高まりそうだ。

 二〇〇一年九月の米中枢同時テロ事件を踏まえて、成立した愛国者法によって、FBIはテロやスパイ事件の捜査のために「国家安全保障書簡」を出せば、裁判所の令状を取得せず、通信会社、インターネットのプロバイダー、銀行などに対し、通話、電子メール、銀行口座などの記録の提出を求めることができる。

 しかし、報告書によれば、「国家安全保障書簡」の発行手続きがずさんで、本来の捜査目的とは違っていたり、書簡の有効期限が切れていたにもかかわらず、捜査に使用していたケースなどが複数あった。具体的な件数は明らかになっていないが、サンプル調査では七十七件のうち、十七件に違反が見つかったという。

 この報告書に関連してゴンザレス司法長官は同日、「間違いに対し、言い訳はできない。できるだけ早期に改善する」との声明を発表した。


http://www.tokyo-np.co.jp/00/kok/20070310/eve_____kok_____000.shtml