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2007年03月10日(土) 00時00分

不満たまる市町村職員 県懇談会に意見噴出朝日新聞

 「首長の危機感が欠如している」「住民は何でも役場任せ」——。県の市町村振興課職員が今年度、市町村に出かけて中堅職員たちから意見を聞く懇談会を開いたところ、首長や議員、住民に対する日頃の不満が噴き出していた。(青池学)

 市町村振興課によると、同課職員5、6人が昨年6月27日の七戸町を皮切りに、10月20日の五所川原市、黒石市まで計22市町村を回った。

 役場の会議室などで、1自治体につき1時間半〜2時間かけて行財政改革などをテーマに懇談した。市町村側の出席人数は6、7人から15人ほど。気兼ねなく意見を言えるよう、管理職には出席を控えてもらった。

 懇談は、「普段感じていることを聞かせてください」と市町村の職員に話を振る形で行われた。

 県のまとめた資料によると、各地の市町村長に対し、次のような声が出た。

「なぜこのような危機的財政状況になったのか反省がない」

 「首長判断の過剰な行政サービスがある。首長の意識改革が最も重要だ」
 矛先は職場の上司や同僚たちにも向けられた。

 「いったん計画された事業を何がなんでも実施しようとする上司がいる」

 「管理職の情報公開に対する意識が低い」

 「国や県が何とかしてくれると思っている職員がいる」
 さらに、議員に対しても厳しい声が上がった。

 「勉強しようとする意識がない。町内会長の方が仕事をしている」

 「無報酬でもいい」

 「数がもっと少なくていい」
 住民に対する批判も激しい。

 「自分たちでやれるものすらやろうとしない」

 「施設の廃止を検討すると、自分の利用する施設はもちろん、普段使用しない施設についても反対する」

 「厳しい財政状況を住民に出しても、理解できない」

 こうした声からは、行財政改革が思うように進まないことへのいら立ちが垣間見える。

 ただ、それでも前に進もうとする声や、住民との「協働」に向けた未来志向の声もあった。

 「行革は一部の担当者だけでなく、全庁あげて何ができるか考えていくことが必要だ」

 「一緒になってボランティア事業を始めたが、やってみて住民力のすごさに気づかされた」

 「住民と職員の垣根を取り払うことが大事だ」

 県は9日、ホームページでこうした意見を公開。担当者は「多くの人に読んでもらい、厳しさを増す市町村行政のあり方を考えるきっかけにしてほしい」と話している。

http://mytown.asahi.com/aomori/news.php?k_id=02000000703100004