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2007年03月10日(土) 00時00分

自公の信頼損なわぬ、復党の衛藤晟一氏朝日新聞

 7月の参院選比例区に自民党公認で出馬したい意向を表明していた「郵政造反落選組」の衛藤晟一・前衆院議員(59)は9日、党紀委員会で復党が決まった後、東京都内で報道陣の取材に応じ「自民と公明の信頼関係を損なわないよう、党の方針に従う」と話した。復党が正式決定し、比例区への出馬も確実なことから、衛藤氏の問題は今後、両党間の県議選や参院選での選挙協力の成否に焦点が移る。

 復党が決まった衛藤氏は、次は7月の参院選比例区に自民公認で出馬し、悲願の国政復帰を狙う。

 ただ、国政選挙で両党の県連と県本部は、自民の選挙区候補の得票に協力する公明が、自民支持層の比例区票を得る協力を続けている。大分が主地盤の衛藤氏が自民から比例区に出馬すれば、競合する公明の比例区候補にとって、得票への影響は避けられないと公明県本部は見る。

 こうした公明側の懸念を考慮して、衛藤氏は復党の申請に際し「活動の拠点を東京に移す」「後援会は県連の指示に従う」といった条件を示していた。

 これに対し、公明県本部は「衛藤氏本人の口から説明を聞かないことには」と、参院選での自民県連との協力について態度を保留している。

 県議選で公明が公認候補を擁立しない選挙区のうち、由布市区を除く自民の公認・推薦候補ら24人が公明に求めている推薦についても同様だ。

◇自民県連幹事長
 「県連と友党(の公明党)との信頼関係を損なうようなことはしない、という衛藤氏の言葉を信じたい」。自民県連の阿部英仁幹事長は同日、大分市内で同氏復党の知らせを聞いてこう語った。

 7月の参院選では、大分選挙区に全国公募で候補者を擁立。4月の県議選(定数44)でも、単独過半数の維持を目指す自民県連にとって、公明の支援は欠かせない。

 阿部幹事長は衛藤氏の復党を「歓迎する」とも話したが、公明県本部との協力関係づくりに腐心の日々が続きそうだ。

◇公明県本部代表
 衛藤氏の参院比例区出馬に猛反発していた公明党県本部。竹中万寿夫代表は、同氏が公明の比例区候補との競合を最小限に抑えるための条件を自ら申し出たことを「成果だ」と評価するものの、「実効性は担保されるのか」と懐疑的だ。

 「(支持母体の創価学会を批判した)過去もある人だけに、相当な反発がある」。自民との関係に配慮して穏便な姿勢に終始する公明党本部とは対照的に、「現場で選挙をするのは我々だ」と、党員や地元の支持者らの思いを代弁した。

http://mytown.asahi.com/oita/news.php?k_id=45000000703100001