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2007年03月10日(土) 10時00分

今年は春も夏も列島異常日刊ゲンダイ

 日本列島は冬がないまま、半月から1カ月も早い春になってしまったが、この異常暖冬の影響はこれからもさまざまなところで被害をもたらしそうだ。今年の春・夏は異常事態が次々と起こる。

●水不足深刻  
 すでに四国では取水制限が始まっている。冬の雨が少なかったため、大半のダムで貯水率が平年を大きく下回っているのだ。
「東京でも深刻な水不足が起こりそうです。利根川水系の水源地である群馬県の山間部に雪が降らず、例年の4割程度しか積雪がありません。今年は空梅雨という予想もありますから、そうなったら東京でも給水制限は避けられません」(気象予報士)
 給水制限で不足するのは飲み水など生活用水だけではない、工業用水も不足するから景気の足を引っ張る。

●コメ大凶作  
 豪雪地帯の北陸でも降雪量は平年のわずか9%、東北地方も平年比23%だ。米どころの雪不足は、庶民の食卓を直撃する。
「田植えのときに農業用水が足りるかどうか、とても心配です」(新潟県長岡市の農協関係者)
 田んぼに水が十分でないと生育が悪くなり、水温も上がって病害虫が大発生する。14年前の凶作では外国からコメを緊急輸入したが、そのときの作況指数は74。今年はそれをさらに下回る大凶作となる可能性が高い。

●熱夏で熱中症激増
 気象庁は6〜8月は「暑い夏」になると予想している。
「異常暖冬の原因となったエルニーニョ現象は春には終息する見込みですが、代わってラニーニャ現象が発生すると予想されます。ラニーニャが発生すると、太平洋高気圧が強まり猛暑となります。2年連続で発生した98年は西日本、99年は東日本で猛暑日、熱帯夜が何日も続き、熱中症による死亡者が急増しています」(気象予報士)
 最近は温暖化、ヒートアイランドもいよいよひどくなっているから、これに熱夏が重なって、熱中症の激増が懸念されている。

●野菜高騰   
 茨城県西部では収穫を目前にした春レタスに、害虫であるアブラムシが大量に確認された。
「例年より1カ月程度早い発生です。この他、イチゴの育成を阻害するハダニも多く見つかっています」(県担当者)
 冬を越せないはずの害虫や病原体が、暖冬で生き残り、野菜や果物に大きな被害を与え始めたのだ。今後はトマト、キュウリ、キャベツ、ネギなどにも広がり、大幅値上がりとなりそうだ。

●鹿、猿、熊大暴れ
 体力の弱い年寄りや赤ん坊の鹿や猿、熊は、厳しい冬を越せずに死ぬことも多いのだが、冬が暖かかったから今年はみんな元気いっぱい。各地で大暴れしそうだ。

●水虫大発生  
 暖冬は妙なものまではやらせる。
「お正月の休み明け頃から、毎日数人程度が水虫の外来にきています。この時季、いつもなら月に患者さんは数人程度です。こんなことは初めてです」(都立墨東病院看護師)

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20070310-00000006-gen-ent