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2007年03月10日(土) 14時33分

戦争体験を次代に 悲惨な実像知って 文集作製 仙台河北新報

 仙台市太白区中央市民センターの市民講座「私の戦中・戦後」を受講した70—80代の男女9人が戦争体験を次の世代に伝えようと、文集「一万文字の戦争記」をまとめた。一人当たり原稿用紙(400字)25枚の大作。50部作って市内の図書館や市民センターに配り、11日にセンターで発表会を開く。

 9人は青葉区堤通雨宮町の無職沢口正三さん(81)ら。主に10代で第2次世界大戦を迎えた。沢口さんは17歳で出征、南太平洋のブカ島(パプアニューギニア)で、米軍と戦った。体験記には仲間の兵士が敵の爆撃やマラリアで次々に死んでいく模様を書いた。

 ほかの受講生は、旧満州(中国東北部)で生まれて敗戦の混乱期に引き揚げた苦労や、養子先の東京で空襲に遭った体験などを記している。
 文集作りは2005年、センター職員の熊谷幹男さん(57)が受講生に呼び掛けて始めた。体験記に厚みを持たせ、時の流れを丁寧に追うために原稿を長文にした。地図とイラストも盛り込んでいる。

 沢口さんは「毎日、多くの人が死ぬ悲惨な時代だった。戦争の無い平和な世界を願って書いた」と語る。熊谷さんは「文集を読んで教科書では分からない戦争の実像を知ってほしい」と話している。

 発表会は午後1時半から。受講生6人が体験談を発表する。定員50人。無料。連絡先はセンター022(304)2741。

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20070310-00000014-khk-l04