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2007年03月10日(土) 12時05分

海外メジャー最新情報、ワーナーとEMIの合併に進展なしオリコン

 米ワーナーミュージック・グループ(WMG)と英EMIグループが、WMGによるEMI買収についてそれぞれ声明を発表した。両社の合併話が再燃したとの報道を受けたもので、今年1月24日にWMG側がEMIに対して合併交渉のアプローチをした事実はあるものの、具体的な交渉はなされておらず、現時点では何も進んではいないとしている。WMG側のコメントでは、今は「EMI買収の初期段階」だという( 合併に関する関連記事はこちら )。

 大手レコードレーベルは近年、合従連衡の傾向にあり、90年代前半まで、ポリグラム、MCA、ソニーミュージック、BMG、EMI、ワーナーミュージックと、いわゆる「6大メジャー」と総称されていた大手レーベルのうち、まず95年から98年にかけ、MCA、ポリグラム両社が順にカナダのシーグラムに買収されるかたちで統合され、現・ユニバーサルミュージックとなった(後、シーグラム自身が仏ビベンディに買収されている)。

 その後、ソニーミュージックとBMGが04年に合併してソニーBMGとなり、現在は「4大メジャー」となっているが、このソニーミュージックとBMGの合併については、昨年7月の段階で欧州司法裁判所(第一審裁判所)が、合併を認めていた欧州委員会の判断を無効とする裁定を下し、再審議が行われているところだ。04年に下されていた欧州委員会の判断を、「市場の独占に関するリスクを検証していない」としたものだが、このソニーBMGに関する欧州司法裁判所の裁定を受け、昨年中にも合併交渉を進めていたWMG及びEMIが、同月中に交渉を「当面の間断念する」と発表するという経緯があった。

 そもそもこの欧州司法裁判所の判断は、4大メジャー以外の独立系レーベル、音楽出版社らによって構成される団体、IMPALA(Independent Music Publishers and Labels Association)による「承認取り消し」の申立てによって行われたものだが、今回のWMG側のコメントによれば、そのIMPALAも、WMGによるEMI合併を条件付きながら承認する意向だとしている。

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http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20070309-00000030-oric-ent