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2007年03月09日(金) 00時00分

相模原市長、辞職へ朝日新聞

  病気療養中だった相模原市の小川勇夫市長(76)は8日、市議会本会議にメッセージを寄せ、4月30日付で辞職することを表明し、今井満議長に辞職届を提出した。城山、藤野両町との合併を11日に控え、政令指定都市への移行、米軍基地の再編問題など重要課題が山積する中での辞職で、今後の市政運営に少なからず影響を与えそうだ。後任を選ぶ市長選は統一地方選に伴う臨時特例法の規定で、市議選と同時に4月15日に告示、22日に投開票される。

(小川太一郎)

  小川市長のメッセージには、「任期半ばでの引退は本意でないが、満了まで務めることは体力的に難しいものと判断、これ以上、市政運営に支障があってはならないと、苦渋の決断をした」とあり、職務代理者の加山俊夫助役が代読した。

  11日の合併記念式典には出席する予定という。

  小川市長は2月16日夕、市議会の一般質問終了後、過労と発熱で市内の病院に緊急入院。回復が思わしくなく、2月20日に加山助役を職務代理者に任命した。
  05年10月から06年1月にかけても、病気療養を理由に加山助役を職務代理者に任命しており、2度目となる今回の療養に心を痛めていたという。

  県議4期目で辞職、97年1月の市長選で初当選し、3期目の半ばだった。「輝きと愛のあふれる人間都市相模原の実現」を掲げ、平成の大合併の流れに合わせ、03年ごろから津久井郡4町の編入合併に乗り出した。11日には人口70万人の新市が誕生し、3年後の政令指定都市移行を目指す方針を宣言していた。

  一方、市是である市内基地の全面返還と強化・恒久化反対を訴え、在日米軍の再編で 相模総合補給廠(しょう)の一部が返還されることになった。

 「基地の強化には戦車にひかれても阻止する」との発言は反響を呼び、体調を崩しながらもデモの先頭に立った。

  加山助役は市議会後の記者会見で、「市長は2年前に体調を崩した後も、表向きには平静さを崩さず病をおして頑張ってきた。市政運営への執念は今でもなえていない」と話した。

  4月に行われる市長選には、今のところ、小川市長が後継者として指名した助役の加山俊夫氏(62)と、前回の市長選に立候補した元収入役の大谷直敏氏(63)の名前があがっている。

  加山氏は市議会後の記者会見で、「職務代理者として市長の任務を果たしている段階。後継指名は光栄だが、よく考えて合併記念式典後に態度を決定したい」と言った。

  一方、大谷氏はこの日、市長選への対応について、「支持者とも話し合い、早期に態度を決めたい」と語った。

http://mytown.asahi.com/kanagawa/news.php?k_id=15000000703090001