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2007年03月09日(金) 00時00分

夕張市長は不出馬/市長選朝日新聞

■財政破綻で引責

 財政再建団体になった北海道夕張市の後藤健二市長は9日開会した市議会定例会で、4月の市長選に立候補しないことを表明した。財政破綻(はたん)を招いた責任を取り、今期限りの引退を決めた。同市長選には全国各地から立候補を模索する動きがでているが、後藤氏の不出馬で、候補者が乱立する混戦となる可能性が高まってきた。

 後藤氏は「財政再建団体の指定を受けたことで、市長として一定程度の責任を果たしたと考え、引退を決意した」と語った。

 「炭鉱から観光へ」をスローガンに街づくりを進めた故・中田鉄治前市長の下で助役などを務めた後藤氏は、03年の選挙で元市議会議長らを破って初当選。財政の自主再建に取り組んだが好転せず、昨年6月に再建団体となることを決めた。

 進退をめぐっては、後援会などに「財政再建計画を軌道に乗せるのが市長としての責任」「ここで出なければ、責任放棄になる」などの意見も強かった。しかし、中田市政時代の幹部や市長として財政破綻を招いた責任は重いと判断した。

 後援会は引退表明を受けて対応を協議する。市民の間には「夕張の候補者」を求める声も根強く、今後、市内在住者や夕張出身者の擁立を模索する動きも出そうだ。

 同市長選では、すでに千葉県野田市の前市議が立候補を表明。4日の立候補予定者説明会にはカナダ在住者ら6陣営が出席。その後も青森、新潟、愛媛、東京、大阪などの住民から立候補の資料を求める問い合わせが続き、合計13陣営に上っている。

http://mytown.asahi.com/hokkaido/news.php?k_id=01000000703090006