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2007年03月09日(金) 00時00分

新潟日報の社説盗用・チェックの甘さ認める朝日新聞

 新潟日報社の小町孝夫・前論説委員(8日付で諭旨解雇)による社説の盗用が、その後の同社の調査で、新たに6本判明した。同社幹部は同日の記者会見で、チェック態勢の甘さを認めたが、「記者倫理にもとるようなことをしていたとは、思いも寄らなかった」と苦渋の表情を浮かべた。

 同社の社内調査委員会が調べたのは、小町氏が論説委員だった03年4月〜先月21日の社説(計495本)。そのうち「盗用があった」と判断したのは6本(計18カ所106行)だった=別表。6本の中には、全59行のうち30行の表現が酷似していたものもあった。

 記事の執筆方法について小町氏は調査委に対し、「自分で取ったメモをもとに書いた」と述べ、記事を机に置いて書き写してはいないと答えているという。小田敏三・総務局長は「故意ではないという本人の言葉を信用した。なぜ、こうなったのか、闇の部分は分からない」と話した。

 一方、渡辺誠・前論説委員長(8日付で解任)は「他の論説委員が書いた社説で、盗用は全くない」と述べた。同社は盗用発覚後、社説を論説委員で回し読みするなどの再発防止に取り組んでいる。渡辺氏は「複数の目でチェックした方が良いと思った」と説明。同氏は今後、論説顧問として後進を指導しながら社説を書いていくという。

 新聞社の社説盗用をめぐる処分としては、山梨日日新聞社の社長が今年2月末に責任を取って辞任している。新潟日報社の星野元・社長は、月額報酬30%を5カ月間返上する今回の自らの処分内容について「重いと見るか、軽いと見るか、それぞれの判断に任せたい。取締役会の決定に従う」と述べた。

http://mytown.asahi.com/niigata/news.php?k_id=16000000703090005