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2007年03月09日(金) 23時03分

女性活用では労使協調、子育て支援など企業前向き 春闘朝日新聞

 女性の働きやすい環境づくりが、春闘の大きな交渉課題となっている。連合は、女性の労働条件改善を求める集会を国際女性デーの8日前後に全国で開き、パート労働者の均等待遇や子育て支援の充実などを訴えている。労使とも就業支援の促進という考え方は一致しており、支援制度を充実させる企業も目立ってきた。

 連合は春闘で、男女間の労働条件格差の是正を掲げる。傘下の167組合(1日時点)が、賃金格差の是正などに取り組む。パートの待遇改善なども315組合が要求している。民間最大の単一労組「NTT労働組合」は子育て支援の短時間勤務制度を求めており、要求の動きはさらに広がる見込みだ。

 経営側も春闘での指針となる「経営労働政策委員会報告」で、役割分担意識の解消など、職場環境整備の必要性を認めている。労組側が求める賃上げには抵抗感が強いが、女性の支援につながる要求については前向きだ。今月中旬以降の回答では、要求を認める企業も出てきそうだ。

 昨年からの労使協議を経て、新制度を導入する企業も目立っている。大手スーパー「イトーヨーカ堂」は、パートの働き方の選択肢を増やす制度を今月導入した。同社では約3万6000人のパートが働いており、そのうち9割が女性。これまではパートの職種区分はなかったが、指導的役割の「リーダー」や専門技能を持つ「キャリア」をつくり、時給も引き上げる。正社員登用の新制度も協議しており、「本人の希望に応じた働き方を用意したい」という。

 朝日生命保険は、営業職員約1万3000人の9割以上、内勤職員約4000人の4割が女性。育児をしながら仕事を続ける職員に、育児サービス費用月額1万円(3歳の年度末まで)を4月から補助する。午前9時から午後3時までの短時間勤務も可能にし、男性の育児参加を進めるため、育児休職の有給扱いも認める。ほかにもキリンビールが、結婚や出産などを理由に最大10年間は転勤しなくてよい仕組みを導入予定で、支援制度は広がりをみせている。

http://www.asahi.com/life/update/0309/016.html