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2007年03月09日(金) 21時24分

球団不祥事で再建に向け不安も 西武朝日新聞

 球団によるアマチュア選手への金銭提供が明らかになった西武グループは「『グループ再生のシンボル』だった球団にこんな不祥事が出るのは残念」(幹部)とショックを隠さない。有価証券報告書への虚偽記載で西武鉄道株が04年暮れに上場廃止に追い込まれ、新体制で信頼と業績の回復に躍起になっている矢先だったからだ。

 西武グループは、創業家の堤義明氏(虚偽記載事件で有罪判決)の支配から離れ、主取引銀行のみずほグループ主導で06年3月に持ち株会社「西武ホールディングス(HD)」を設立し、経営再建を進めている。一時は球団売却との観測もあったが、みずほコーポレート銀行副頭取から西武鉄道社長(後に西武HD社長も兼務)に転じた後藤高志氏は「ライオンズはグループ再生の象徴」と引き続き保有する考えを強調してきた。

 グループ全体でゴルフ場、スキー場などの資産売却を進める一方、最近は景気回復で本業の鉄道・ホテル事業が好調で、06年9月中間決算で60億円の当期黒字を計上。上向きの兆しが出ていた。

 ただ球団経営はいまも実質赤字が続く。不祥事で球団人気の低迷に拍車がかかれば、グループ内外で「ライオンズ不要論」が再燃しかねない。大スターだった松坂大輔投手のメジャー行きに続き、厳しい状況を迎えた。

http://www.asahi.com/national/update/0309/TKY200703090356.html